トランプ関税と株価への影響──トヨタ自動車を例にその仕組みを解説

トランプ関税とは何か?

まず、「トランプ関税」とは、トランプ前大統領が提案・実行した輸入品に対する追加関税のことです。
たとえば、「日本などからアメリカに輸出された車に25%の関税をかける」といった措置が対象になります。

これはアメリカ国内の産業保護を目的としていますが、日本メーカーにとっては大きなコスト増につながります。

関税が上がると、なぜ企業に影響するのか?

(1)原価が上がる

たとえば、トヨタが日本で生産した車をアメリカに輸出するとき、本来は100万円の車でも、関税が25%かかると125万円になります。

→この25万円分は、トヨタ側が吸収するか、消費者に転嫁するかになります。

(2)価格転嫁できないと、利益が削られる

しかしアメリカ市場では競争が激しく、「値上げ」は販売減につながるリスクが高いです。
そのため、関税分を自社で負担せざるを得なくなることが多くなります。

→結果として、1台あたりの利益が減少します。

(3)アメリカでの売上構成が大きい企業ほど打撃

トヨタは売上の約30%をアメリカ市場に依存しており、関税の影響は小さくありません。

実際の数字で見てみる(※ざっくり試算)

  • トヨタの1台あたりの営業利益:約52万円
  • 仮に25%の関税で1台あたり25万円の負担増になると、利益は約半減

→これは企業全体の営業利益にも大きく響きます。

別の記事で想定の影響が記載されていますので、そちらを参照ください
トランプ政権下での自動車関税は、トヨタ自動車にとって大きな負担となりました。​米国で販売されるトヨタ車の約5割が現地生産であるため、関税の影響は限定的と考えられていましたが、それでも営業利益への影響は約15%の減少が見込まれています。 ​具体的には、営業利益が約3割減少する可能性が指摘されています。 ​

Bloomberg.com

4. なぜ株価も下がるのか?

株価は「将来の利益を織り込んだ価格」です。
そのため、

  • 利益が減る予想 → 企業の評価が下がる → 株価が下がる

という流れになります。

さらに、投資家心理として「トランプ政権下では海外企業に逆風」と判断され、日本の自動車株全体に売り圧力がかかることもあります。

まとめ:トランプ関税の影響は、こうして株価に反映される

要素内容
原因トランプ関税(輸入車への追加25%関税など)
メカニズム→ コスト増 → 利益減少 → 株価下落
特に影響大アメリカ市場の比率が高い企業(トヨタなど)